ある種の口下手。

[ 小さな星日記 ]

お店での僕はおしゃべりですし、話をするのはとても好きで、だからお客さんとあれこれとおしゃべりさせていただくのはとても楽しいし、刺激的でもあります。
言葉のやりとりをよく「キャッチボール」という風に表現しますが、受け取ったボールの位置とそのスピードと自分の体制、それから相手の位置と距離感、そしてボールを受ける体制をつぶさに読みながら、いかにおもしろいところにボールを投げるか、言ってみればそんなことばかり考えているんですね(苦笑)。お客さんの言葉を聞いてピンとなにか思いつくか?!、そうゆう、瞬発力がとても要求される仕事です(いや、そんな大したことではないですけど.....笑)。

GOこの間のお休みの時、DVDで「GO」を観ました。劇場で観て、DVDを買っても観たから、たぶん3回目。窪塚君の一番良い時代の映画ですね(苦笑....今のところ)。手足の長い彼のしなやかな身体がとても躍動的で、すでにおじさんの部類に入ってしまった僕なんかにとって、それは憧れというか、懐かしさというか(いやそんなにかっこいい高校生ではなかったけど)、とにかく、今の僕自身がそれを持っていないから、余計にそれは圧倒的にかっちょいいものだったりします。もう眩しいくらいに。

映画はとても素晴らしいんですが、今回初めて映画の舞台挨拶の特典映像を見ました。
今でこそ「ちょっとイッちゃってるひと」というレッテルを貼られて、芸能活動がほとんど出来ないように見える窪塚君ですが、彼の一番良かった時代のこの「GO」の舞台挨拶でさえ、もうすでに「イッちゃってる」かんじがしました(苦笑)。

とにかく彼は自分の思っていることを、自分の思っている順番で、自分の思ったように、自分の好きな時に喋りたい。

舞台挨拶の最後のシメで彼がしゃべりはじめた時、司会も観客も共演者も、きっと「こいつはなにを言ってるんだ?」と思ったに違いありません。強引にこの映画のテーマと結びつけることは出来ないことはないけど、明らかにそれは異質でその場にそぐわないもので、でも彼の中ではその時の最重要関心事だったんだと思います。それを彼は思ったように、喋る。単に関心があるだけで、それを相手にわかってもらうような論理の組み立てをするわけでもなく、だから相手に明確になにかが伝わるわけもなく、すなわち彼の言っていることに力もなかったりする。

彼はマスコミが変人扱いするほど、へんでもなく、とてもラブ&ピースな人なんだろう。

ただ、相手がわかるように、相手に伝わるように、というところに欠けているから、とても傍若無人で、わがままで、言いたい放題みたいに見えるんだと思います。彼の頭の中の構造が見えるわけではないから、彼にはすべてがわかっても、周りの人はちんぷんかんぷん。
そうゆう人はけっこうどこにでもいるわけだけど、でもそれはちょっと芸能人としては致命的ではあるんでしょうね、きっと。

そして僕は自分を省みる。
僕自身にもそうゆうところはものすごくたくさんある(苦笑)。

それはお母さんに、あのね、あのね、って自分のことをしゃべりたがる子供みたいなものなんだろう。

うむ。

 
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