道明寺。
[ 小さな星日記 ]
関西風の桜餅にことを道明寺と言うって、こっちに来てはじめて知りました。単に桜餅って呼んでましたし、関東風の桜餅のことはまったく知らなかったんですね。ま、それはさておいて、僕は和菓子の中では圧倒的にこの道明寺が大好きなんですが、この歳になってくるとあんまりたくさん甘いものを食べられないので、できたらおいしいやつをちょこっと食べたいなと思うわけで、そうするうちに、桜餅(道明寺)の時期を逃す、なんてのが続く昨今なわけであります。
大学生の頃、ちょうど今くらいの季節、弟の友達が東京の大学を受験するということで、うちに泊まりに来たことがあります。その時僕は真ん中の弟とふたり暮らしをしていたんですが、それでは受験がうまくいくように、おいしいものを食べさせなくてはならん!と僕はおでんを、弟は巻き寿司を作ることにして、上京したばかりの受験生を連れて近所のスーパーに出かけました。
ひとり暮らしをしたら、自炊をするのがよいよ、なんてことを話しつつ、いつものスーパーなので売り場はあたまにはいってますし、さくさくと買い物かごに必要な食材を投入していきます。すると、僕の目が、ふだんはあまり気にとめないところに、ぴたっととまってしまいました。
さ、桜餅(道明寺)。
ごくり(笑)。
あぁ、桜餅、大好きなんだよな、でも今日はこうして久しぶりに奮発して買い物をしているわけで、ふだんの暮らしぶりからいうとかなりの予算オーバーなわけで、でも、桜餅の紫色はみょうに色っぽいわけで、あの、塩漬けの桜の葉っぱと餡の甘さの絶妙なバランス、あぁ、それはすでに官能のすら超えているわけで、あぁ、とか、頭の中でもだえていたわけですよ、たかが、「ヤマ○キの桜餅」でさえ(笑)。
それ、買わないの?
はっと、声のする方を見ると、ひとりのおばさんが明らかに僕の見つめている「ヤ○ザキの桜餅」をさして、そう言うではありませんか。し、しまった、「ヤマザ○の桜餅」、一個しかないよ、ということは、今この場で決断しなくてはなりません、あぁ、どうする>ヲレ。
あ、やっぱやめときます。
いや家計がちょっと、云々〜とあまりかっこよくはないいい訳をしつつ、おばさんにその「ヤマザ○の桜餅」を残してその場を立ち去りました。うぅ、ヲレってこうゆう時いつもそうなんだよな、とか思っている僕を、受験生は不思議な顔で見てたことでしょうよ(笑)。
会計を済ませ、大量に買ったおでんと巻き寿司の食材を袋に詰めていると、さっきのおばさんが、僕の隣で、袋詰めし始めました。あ、どうも、というかんじで挨拶をすると、
これ、あげる。
「ヤマザキの桜餅」!(ぴかーん!ってかんじ....笑)
ありがとうございます(泣笑)!
その晩おいしいごはんをたべたあと、さらにさらにおいしい桜餅を食べた僕等なのでありました(笑)。
....って、その話をミヤザキにしたら、すごく驚かれて、で、そのあとおばさんに誘われたりしなかったー!っていいましたけど、いやそのあともそのスーパーでお会いすることはありませんでしたよ....って、ヘンですか、この話わ(苦笑)。
でも、僕も阿佐ヶ谷に住んでいる頃に、雪が降る中うちの目の前で警備員をやっている寒そうな見ず知らずの女の子に缶コーヒーをごちそうしたことはありますけど.....ヘンですか、僕は(苦笑)!
る、類友ですか(爆)。