音楽をつくりはじめた頃(その2)。

[ 小さな星日記 ]

オリジナル曲を作る。
簡単にそう言ってしまいますが、作ったことのなかった頃は、どうやったら曲が作れるのかなんて全然わからなくて、曲の作り方、みたいなものがなにかきちんとあるんだと思ってました。いや、そんなの鼻歌でもなんでも作曲といえば作曲で、まぁ、それがいい曲かどうかはわからないですけどね。

自分の曲を録音するというのは思った以上に楽しいものでした。
まずはドラムマシンで、一曲分のドラムのパターンを組んで、それをMTR(マルチトラックレコーダー)に録音して、ガイドになるギターなんかをまず仮に録音しておいてから、ベースを録音。それからはリズムギターだとかキーボード、コーラスやボーカル、ギターソロなんかを次々に録音していくんですね。

どんどん音が重なって、僕の曲、僕の世界がそこに現れる。
わぁ〜って、かんじでうれしかったですし、そこには魔法みたいなものが、確かにありました。

砂場で小さな山を作る。
そこにトンネルをきゅきゅっと堀り開けたら、そのまま砂場じゅうに道が張り巡らされ、建物が建ち、街ができ、そして砂場の中に僕たちの小さな世界ができる。そんなことを夢中になってやってた子供の頃の、そのわくわくみたいなものを、レコーディングの中に、僕は久しぶりに見つけたような気がしました。

そして、その魔法みたいなものは、きっと今もまだ音楽の中にはあるような気がします。
ずっと音楽を作ることから離れてはいましたが、だからといって音楽を辞めたと思ったことはありませんでしたし、その魔法みたいなものが、まだ僕の中にあるということを信じたかったのかもしれません。

17の春休みにはじまったレコーディングは、5月の連休明けまで続き、完成しました。
9曲入りで、350円(笑)。
お金がないから先払い予約販売で、お金を集め、カセットテープを買って、次々にダビングし、ワープロを持っている友達に歌詞をタイプしてもらって歌詞カードも作りました。ジャケットだって、高価なカラーコピーを使って作ったし、1本ずつ包装紙で包んだりもしました(笑)。

当時、山口にもバンドを組んでライブをやったりする高校生はそれなりにいました。でもオリジナル曲を作ってヘタクソなりにも録音すして、さらに売ってしまうような人はいなくて、だから、カセットは250本以上も売れました(笑)。これはまったく無名な目立たない田舎の高校生だった僕にとってはものすごく画期的なことで、でもだからって、大ブレイクすることはなかったですよ(笑)。ちゅうか「大ブレイク」って、すでに死語?(ってこの間お客さんに言われちまったー....笑)

まぁそれで気をよくして、堅実な人生の道を踏み外し、でもなんとかここまで来たような気がするね(笑)。

つづく
....のか?(笑)

 
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