もしも。

[ 小さな星日記 ]

夕凪の街桜の国60年前の今日、長崎に原爆が落ちたわけで、僕もお店の開店準備をしながら、なんとなくその時間を意識していました。去年の8月6日、広島原爆投下の時間にうちのアパートの近くでサイレンが鳴って、そのことに気がついたってエントリを書いたんですが、やっぱり僕にとって原爆ってのがとても深く心の底の方に刻まれていることは間違いないような気がします。

何年か前に亡くなってしまった、下関の祖父は、兵隊として戦争中飛行機の整備工場にいました。戦争がもう少し長引けば、特攻隊として、散って行かなくてはならなかったかもしれません。僕は小さい頃祖父によく戦争の話をしてもらいました。飛行機や軍艦の話は、単純にコドモゴコロにとてもわくわくするモノでしたが、やっぱりどこかこわいと思っていたのを思い出します。

長崎の原爆。
ホントは小倉(北九州)に落ちるはずだった原爆。

小倉と下関は目と鼻の先。
もしも予定通り小倉に原爆が落ちていたら、特攻隊に行くまでもなく祖父は死んでいたかもしれないし、祖母も死んでいたかもしれない。その可能性はとても高いような気がします。

祖父と祖母が一緒になり、母が生まれ、父と出会い、僕が生まれる。

当たり前だけど、あのとき小倉に原爆が落ちてたら、僕は今こうしてヨタ話を書いてなかったかもしれません。
遠いけど、とても近い話。

カウンタ席に、「夕凪の街 桜の国」という本を持ってきました。平成16年度文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞受賞作品でもあります。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2004/manga/000256/

生々しい原爆の描写ではなく、原爆を受けた世代、そしてまた次の世代と、どうしようもなく受け継がれていくモノが、淡々と描かれているような気がします。
僕が生まれてきたように、ホントは生まれてくるはずだった、誰かのことを、少し考えたりする...うまく想像が出来ないけれど。

8月いっぱい置いておきますので、よかったらぜひご一読下さい。

 
この記事につぶやく。 感想など送る。 このページのトップへ。