ブレンドコーヒー、1年目の覚え書き。
うちのオリジナルブレンドコーヒー。
オープンする時に決めたブレンドを、もう少し秋〜冬に合う濃くてミルクや砂糖に負けないようなものに作り直そうと、あれこれとやってたのがちょうど1年前の今頃でした。それからずっと、そのブレンドでお出ししているうちのオリジナルブレンドコーヒー。
夏前頃から、スタッフの清水に毎日コーヒー修行をしてもらっているんですが、なかなか腕を上げてきました、清水さん、最近はめったにヘマはしませんよ...と、それはそれでみんな清水さんが入れてくれる午後のコーヒーを単純に楽しみにしていたりするんですが(笑).....
何週間か前のある日のコーヒー修行。
清水)出来ました〜。よろしくおねがいします。
okayan)はいはい(笑)。あぁ、香りはなかなかいいですね、それではいただきます.....ごくり.......?????、あれ、清水さん、なんか、これおいしくないね、薄いっていうか、なんか風味も違うかんじがするね、抽出(ネルドリップ)うまくいかなかった??
清水)いや、そんなことはないんですけど....なんででしょう?
okayan)じゃ、もう一回入れてみてよ.....今度はちょっとお湯の温度低めで....(こうするとだいたい豆が落ち着いて濃く、きれいにはいったりします)
清水さん、もう一回、温度低めで同じように入れてくれました。
.....でも、全然おいしくない。
はっきり言っちゃうと、まずいわけです。
??????
と、それから僕自身も同じ豆で何度か入れてみました。
この夏コーヒーをいれるのが絶好調だった頃、もうどうすればお湯が適温になるのかわかってたし、それできちんといれてやれば確実においしいコーヒーをいれることが出来る、その入れ方で何度入れても、全然おいしくいれられませんでした。
がっくし.....(自信喪失)。
....って、もしかしてブレンドの配合、間違ってるのかもしれないですし.....と同じ日に来た同じブレンドの別の袋を開けてみて...でもダメでした。もしかしたら余所のお店のブレンドと間違って配達されたのかもしれません....と、仕方がないので業者さんに電話して、返品することにしました。
そして、新しい豆が来て、またコーヒーをいれてみて...
前よりちょっとマシくらい?でも夏の入れ方では全然上手くいれられませんでした。
確かに秋になって、お湯の温度や沸騰の仕方、外気の温度なんかも関係あるのかもしれません。でも、そんなの全然関係ないくらい、豆にガッツがないかんじがして、きちんときれいに抽出(ネルドリップ)出来てもあっさりさらりとしたコーヒーにしかなりませんでした。
仕方がないので、もう少し細く豆を挽くことにしました。
するといつもの、夏のかんじが戻ってきました。湯を注いだ時の豆のふくらみ、泡立ち、そして抽出し終わるまでのふくらみの保ち等々、かなりいいかんじでいれることが出来ました.....イイネ!(ホントヨカッタ)
そして今日のランチ、コーヒー好きのいつものお客さんに、コーヒーおいしかった!と言っていただけました。
いや、ホントに、本当にうれしかったです(フォースが共にありましたからね.....笑)。
思えば一年間、こうだと決めたこのブレンドを出来るだけおいしくいれられるように、日々いれ続けてきたわけで、それがこの夏ひとつの完成を見たのかもしれません。
しかしコーヒーというのは、工場で作られた化学製品ではありません。
産地の天候や土壌、その年の豆そのものの出来、当たり前ですがまずは農作物であり、またそれを精製する行程の善し悪し、そして焙煎の加減....少しでも違えば、必ずなにかが変わってくるわけで、ブレンドに配合されている、1種類の豆の具合が違ったって、その味は変わってくるわけで、洗濯ばさみやサランラップみたいに、いつでも決まった品質でうちに届けられるわけではないわけです。
そこを、誤解してたんだと思います。
だから自分の味覚だけをたよりに、なんとかおいしいコーヒーになるようにする。
細く挽こうが、荒かろうが、湯温が高かろうが低めだろうが、とにかくおいしければいい。
でも、一年かけて、そこまで来れたんだなと、
自分で作ったこのブレンドを、そこまで理解してきてるんだなと。
奥が深い、というか、道のりはさらにさらに長いですね。
とても楽しそうですけどね(笑)。