焼失。

[ 小さな星日記 ]

さて、今年の帰省でも祖母のうちを訪ねました。
少し具合が悪いと聞いてましたが、いやいや、あいかわらず元気で闊達なばぁちゃんで、今年も新年の挨拶が出来たのをとてもうれしく思いました。

子供の頃は毎年盆暮れは必ず家族で帰省したものですが、時々子供達だけで祖父母のうちまで電車で行くことがあって、それは僕にとって、ちょっとした冒険みたいなものでもありました。

うちの実家から祖父母のところまで電車で行くには、途中の小郡駅(現・新山口駅)で電車を乗り換えなくてはなりません。小学1年とか2年とか、とにかくそのくらいの僕は、弟2人を連れて、きちんと正しい電車に乗りかえなくてはならないと、小郡駅に着く前から少なからず緊張してたのを思い出します。だから3つ手前の駅あたりで、弟たちにおやつやおもちゃを仕舞わせて、ちゃんと上着を着せて、そして気が早いことに電車の扉のところで、じっと小郡駅に着くを待つんですね(笑)。

小郡駅の1番線に電車が着きます。
着くちょっと前に、車内放送で各線への乗り換え案内があって、僕はそれを注意深く聞きます。接続に40分もかかってしまう時もあるけれど、そっちの方が気持ち的には楽でした。逆に3分ほどしかない時は、弟たちに手を繋がせたら、電車の扉が開くやいなや、それ〜っと!階段を駆け上がって、目指すプラットホームまで一目さんです。
そのくらいの待ち合わせ時間だと、だいたいもう電車は駅に着いて待っているわけですから、そのまま、それ!乗り込め〜って、その前に駅員さんにちゃんと乗るべき電車かどうか、ちゃんと聞きます。えぇ、長男ですから(笑)。

上手く乗り換えられれば、ひと安心。
さっき仕舞ったおやつでもゆっくりたべながら3人兄弟で遊んでれば、あっというまに祖父母の待つその駅です。

やっと着いたよ、ちゃんと来れたね。
電車を降りて、階段を下りて、改札口が見えたらその先に、祖父母がちゃんと待っててくれます。僕はちゃんと弟2人をここまで連れて来れたからね、とちょっと誇らしくもあり、なんとなく晴れがましくもあり、そしてなにより二人の顔を見ていつもほっとしました...すこしテレくさくもあったりするんだけど。

実はこのお休み中、一番驚いたのが、その下関駅の火事でした。

下関駅放火 運行、早く元通りに(asahi.com・マイタウン 山口)
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000601080001
下関駅火事(INFINITY)
http://intp.lolipop.jp/blog/2006/01/07_1025.html

僕は釜山のホテルのNHK BSニュースでこの火事を知り、ものすごく驚きました。火事の前日、久しぶりに小郡から下関まで小さな電車の旅を楽しんで...こんな話を店長ミヤザキにしたばかりだったから....

小さな僕の勲章みたいな下関駅はもうないんだなと、それはそれはとてもつらく悲しいお正月明けのニュースなのでした。

 
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