縁。
[ 小さな星日記 ]
あんまり大きな声じゃ言えないですけど、大学時代は英語を勉強しておりました。単語だって熟語だって文法だって得意でしたし、成績だって悪くはなかったんですよ....って、それって予備校時代の遺産でなんとかなっただけなんだけど(苦笑)...つまり、大学時代はたいして勉強はしなかったわけであります。
卒業して1年後、その後1年にわたる長い旅行に出た時、僕は自分の英語があまりにも道具としてからきし役に立たなくて、ホントに唖然としたし、えぇ、でもその程度だったんですよ、僕の英語力は(苦笑)。
オープンして間もない頃から、時々ご来店いただくご夫婦がいらっしゃいます。ダンナさんはうちのフカザワのパウンドケーキをとても気に入って下さっている背の高いイギリス人、奥さんはとてもかんじのいい色白で小柄な日本人....ものすごく身長差のあるお二人で、僕もいつもちょこちょこおしゃべりをさせていただいてたりするんですね。
でも....いつも日本語(苦笑)。
ある時、いや、実は昔英語勉強してたんですよ、大学の頃....と白状すると、じゃ、英語で!なんて言われまして、いやいやもうだめっすよ、と恐縮したところ、大学は....という話になりまして、いや、あの八王子の山の中にある大学なのでありますが....と、え!私たち、今そこで教えてますよ、英語(笑)!ですって。
そんなコトってあるんですね(笑)。
世の中狭いね....ちゅうか。
時々仕事帰りに寄ってくれる、大学時代のクラスメイト、マサヒコ君が、僕がとても仲良かった同級生の女の子がどうもうちの大学に戻って講師をしてるらしいという噂を去年教えてくれてたので.....思い切って訊いてみることにしました。
えっと、あの、同じ英語講師で○○さんって、いらっしゃいます?
あ、○○さんなら週に一度は会いますよ!
ど、同級生なんですけど、大学時代の....
えーーーーーーっ!
......みたいな(笑)。
そうゆうわけで、お二人に取り持っていただいて、彼女と何度かメールのやりとりをして、つい先日の定休日、その女の子(女の子じゃないね、ちゃんとオトナの女性なわけだから)とマサヒコ君と僕と3人でお酒をのみました。
3人が顔を合わせるのは、10年ぶり。
3人とも10年前と同じコトをしているわけではなく、それぞれいろんなことがあって、でもなんとかこうしてまた会えたことをとてもうれしく思いました。大学生で、やっぱりお子様だった僕らもこうして30代半ばを迎え、なんとかそれぞれがそれぞれの力で立っていること....単純に二人ともがんばっていい人生を生きようとしていてうれしかったし、もしかしたら、僕らは相手の中に、また違った自分自身を見ているような、そんな気がした....そんな感覚を僕らはすぐに共有できた....本当に素晴らしい再会になりました。
こうしてお店を始めて、
そして、いいお客さんに仲良くしていただいて、
思いがけず、途切れた糸を結びつけていただく。
そんな不思議な力が、この仕事には....お店にはたくさんあるのかもしれない。
僕は帰りの最終電車に揺られながら、とにかくもうなんというか、世界中で一番しあわせでおめでたいヨッパライになって、とにかく手当たり次第に感謝したい気持ちでいっぱいでありました....って、コトバじゃ、ぜんぜん伝えきれないよ!
ありがとう。