旧友、遠方より来たる。

[ 小さな星日記 ]

Mami昨日のランチ....特に12時台は久しぶりの大入り、とにかくお客さんがたくさんいらっしゃり、回転し、またいらっしゃる.....寒の戻りもあって、久しぶりにホットコーヒーをとにかく連続で何度も淹れ.....と、その慌ただしさもほっとひと息ついた頃、がらりと扉を開けてやってきた彼女....

マミちゃん!

お店を始める直前くらいに一度連絡は取り合ってるけれど、彼女と会うのは、きっと.....7年ぶりくらいなのだろう、そして彼女と知り合って、今年でちょうど10年......ま、そりゃお互い少しは歳はとるわな(苦笑)。

彼女と出会ったのは、僕が20代半ば、1年と少しの長旅から実家の山口に戻り....山口市の小さな新聞に旅行中の出来事をイラストと手書きの文章で連載をしつつ....でも田舎の高校生のお小遣いほどにしかならないギャラではどうしようもなくて、母親の経営する小さな自動車整備工場の手伝いをしてた.....そんな頃、とある縁で、南アフリカのバンドを連れて、日本各地をドサ周りするツアーのお手伝いすることになった....その時の相棒が、彼女、マミちゃん。

彼女はたしか外国語大学を卒業したて、アフリカ系の言語専攻で、在学中も何度かアフリカを旅行してるということで、ま、その経歴も買われて、前年に初来日した彼らのツアーにも今回同様参加、僕に比べたら、年は下だけれどある意味完璧に先輩....だから彼女がドレイ1号、僕がドレイ2号....もちろんドレイはカタカナで。気をつかわなくてサバサバしてて一本気で...これほどたよりになる先輩・相棒もいませんでした(笑)。

6月の頭から9月の頭まで、丸3ヶ月、とにかく24時間メンバーといっしょ...僕だけ1週間休みをもらったけど....2台のバンを運転し、メンバーと楽器と各地を移動....着いた先では受け入れ先の宿泊施設にメンバーといっしょに泊まり.....それはけっこう地元のおたくにホームステイだったので、通訳したり、お世話したり....あらかじめメンバーはお肉とコーラが好きという情報が行き渡っていたので、僕らはこの夏ほどバーベキューした年はない.....どこでもかしこでもお肉とコーラ、移動は車と、そりゃ太るわな(苦笑)。ま、でもそんな素直で素朴な....外国の人が来るから、精一杯おもてなしをしようとしてくれた、地元の普通の方々の気持ちのよさ.....それはとてもシンプルにうれしかったし、メンバーにもよく伝わっててたと思う。

メンバーはとても気のいい人たちばかりだったし、演奏も踊りもいつも掛け値なしに素晴らしかった.....この話は一度こんな風に書いたことがありますが.....さすがに3ヶ月もいっしょに小さなバンに詰め込まれては、色々とある.....僕らはメンバーのわがままを聞きつつ、でもツアーを仕切る団体の指示にも従い....本当にこれぞ板挟み....このキツさをわかりあえるのは、本当に僕らふたりだけ。ツアー中、彼女だけが僕のヨリドコロでもありました。

でもそんなキツさも関係なしに、
国際交流、銃を回収して鍬を作ろう!等々、
そんな御旗の元にツアーは続く。

最初は気にならなかったけど......メンバーに対する待遇の酷さ、なんだかんだいいこと言いつつ、各地受け入れ先の誰かの地域貢献、箔付けのネタ、もっと言えば....ボランティアやチャリティ、タダ同然の安価な労働力を使って、人の善意を煽っての金集め....どこかでちょろりと儲けてる人もいる。
確かに、それでも世の中に役に立つことをやっていることもわかる。きれい事だけじゃまわらないのもわかる。でも現場でそんな大人たちの思惑がチラホラ見え隠れするのは....少ないお金だったけれど、お金をもらって働く僕らには....手弁当で参加している人のことを思うと....そしていつも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるメンバーをうまいこと利用しているのかと思うと.....ツライものだった。

彼女も僕もまだ若かったから、上司....というかその団体やそんな大人たちのやり方に大いに憤ったりはしたけれど.....当たり前だけど僕らは単なるアルバイトであり、モノを知らない若者で....結局はその団体に従うしかなかった。

それでもなんとかツアーは続き、そして終わりの日が来る。

最後の公演は大阪で、その後メンバーは関空から帰国した。
メンバーとその団体もあんなに揉めたけど....結局彼らだってお金を持って帰らなくちゃならなかったし、どんなにひどい状況でもツアーをやりきるしかなかった....彼女も僕も、そのことだけはよく理解できた。笑顔で彼らを送り、そして僕らは僕らでお互いの健闘をたたえつつ、がしっとハグしてサヨナラした。

あれから10年。
彼女はこの夏、アフリカ・タンザニアに発つ。
2年間、青年海外協力隊の一員としてアフリカの大地で働く.....あぁ、それはいいね、と僕は思う。あんな経験もして、ボランティアだのチャリティだの、とにかく彼女はそれがなにかを知っている....だから絶対にうわべだけの援助、頭でっかちなボランティアにはならない.....それに、きっと彼女はなによりアフリカが好き、とにかくアフリカに行きたいんだろう。

だからアフリカに行くんだろう。

.....って、実は彼女、時々このページを見てくれていて、そして聞けばmixiのうちのコミュニティにも入ってくれているそうな(笑).....世の中は狭いというか、縁はつながるというか......だから昔の相棒、ドレイ2号の僕もここでコツコツがんばります....タンザニアでも、僕のデザインしたリトスタTシャツ、着てくれるとうれしいね(笑)。

またいつか、どこかでかならず、あいましょう。

とてもたのしみにしている。

 
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