仕事にまつわるエトセトラ。

[ 小さな星日記 ]

とまぁ、このエントリは、先週書いた「小さきことは。」の続編というかんじになるんですけど、そのですね、今回の参議院議員選挙....小さいけれど争点のひとつに上がっているのが、最低賃金引き上げ問題。

前のエントリでは....ある...しっかりした政党の候補者の「最低賃金を1000円にする」という公約に、ワタクシや店長ミヤザキがちょっとした違和感を抱いたということを書いたんですが、今月13日からはじまった今年の厚生労働省の中央最低賃金審議会、現在の平均時給673円の最低賃金にどのくらい上乗せするかというところで、労働側、経営側、なんだかんだでどちらにもそれなりにいい顔をしておかなくちゃならない厚労省に....各政党の....選挙も含めた思惑....そのパワーバランス。

そんなことが今話し合われているわけでありますね。

格差社会が声高に叫ばれております昨今、今回の選挙にあたり野党各党が軒並み「最低賃金1000円」という公約を掲げる....一般市民の支持を取り付けようというのはよくわかるんですけど、ここで僕らがちょっと疑問に思ったことは

経営者=裕福で労働者を搾取する側
労働者=貧しく経営者に搾取される側
いまだに単純にこうゆう図式で捉えられているのかなと....そりゃまぁ、そうゆう会社もたくさんあるんでしょうけど、うちに関していえばこれは全然当てはまらないわけでありますよ....経営者が一番条件が悪いわけでありますから、収入も、労働時間も。確かに、儲からない、事業がうまくいかないのは経営者の責任ですから、それで経営者が十分な収入が得られないのは....仕方のないことですけれど。

仕事ってなんでしょうか?

もちろん一概に言えるものではないでしょうが、やっぱり生活していくお金を得るための活動という側面は決して切り離すことはできないでしょう。

じゃぁ、そのお金をできるだけ楽して儲けたい....と。
楽じゃなかったら、できるだけ短時間に得たい....と。

仕事は生きていくお金のためと割り切って働く。
だったら....それはそれでいい気がしますし、そうゆう人はできるだけ割のいい仕事をするのがいいですよね、最低賃金だって上がる方がもちろんいいし.....もちろん最低賃金で働く理由もないでしょうけどね。

でも、僕ら.....小さくはありますが、こんな飲食店をコツコツ切り盛りしております、ワタクシ達経営者から申し上げさせていただきますと.....「仕事はお金のため」と割り切ってる人を.....そんな気持ちのまま、いっしょに働くスタッフとしては迎えたくないというのが、ホンネです。飲食店だから余計にというのもあるでしょうが、そうゆう人がひとりいるだけでお店の雰囲気が変わってしまうし....正直僕らが思ういいサービス、いいお店なんか出来ないと思うんですよ。

今日の夕方、スタッフの清水に「清水さんにとっての仕事ってなんですか?」と、ズバリ直球の質問をしてみました。彼女がうちに来ることになったいきさつは以前書いているんですけど、やっぱり彼女にとって仕事は1番ではない.....けれど、一日のうち長い時間を過ごす仕事だから楽しく充実した時間を過ごしたいんだと、そんな風に答えてくれました。

ココロも満たされることが、大事なんじゃないかと。
ココロも、ってのが。

それとお金とのバランス.....そこが人それぞれなんでしょうね。

実際今いるスタッフほぼ全員が、たぶん前職よりも労働時間的にも収入的にも悪い条件で働いている......そうなるとわかった上で、あえてスタッフになってくれた....経営者側としては、大変申し訳なく思いますし、いつまでもそれに甘えてちゃダメだとは思うんですけど.....今はこれ以上どうにもならないも事実であります。

ギリギリなのであります。

でも....そんな条件でなお、テキパキ働いてくれるスタッフにはとても感謝しておりますし、全幅の信頼も寄せておりますし、えぇ、だからこれからお店が儲かった暁には、みんなでがっぽり給料をもらおう!と(笑.....そんな日がそう遠くないうちに来ますように)。

スタッフがそれぞれがいい仕事をしようと....ふつうにそう思ってくれている(と思う)。
僕らオーナー3人も.....もちろんふつうにそう思っています。

もしも最低賃金が1000円になったら。

僕らは....やっぱり自分たちがほとんど給料をもらわずに、今のスタッフをそのまま維持するということはできませんし....それ故オーナー3人+αくらいでできる規模のお店に縮小する....もしくはどんな手段でも使ってもっとガンガン儲かるお店にする.....って、そうするくらいならお店を畳んだ方がいいかもしれません。そんなことをするために僕らはこのお店を始めたわけではないし.....

いい仕事をしようと集まってくれたスタッフの働くところもなくなるし、僕らもここにはいなくなる.....そこにはなんの経済活動もコミュニケーションもなくなる。

なんにもなくなる。

それこそ日本中でそんなことがおこる.......そうゆう可能性も、あるってこと。


いい仕事をしたい。

その気持ちと...最低賃金と。
なかなか頭の中でうまく結び付きません。

でもとにかくいい仕事をしたいと、いいお店になりたいと、単純にそう思っています....それが僕にとっての仕事、生き方そのものかもしれません。


さて.....日曜日の選挙。
もはやどこに投票していいかさっぱりわからんぜよ(苦笑)。

 
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