第13話

インタビューをする。

リトスタ本の企画が正式に採用された後、僕はミヤザキさんやokayanと何度か打ち合わせをして、今回の本の中でどういったトピックをどんな順番で配置していくか、できるだけ詳細に決め込んでいきました。そして、3月下旬から4月下旬までの間、お店の定休日を利用して、二人に対してインタビューをしました。

インタビューでは、1回につき約3〜4時間、トピックの内容によって二人のどちらかに語ってもらう形で、みっちりと話を聞きました。5周年記念イベントが終わってから行った最後の取材を含めると、計7回。ICレコーダーで録音したデータは、合計で約23時間にもなりました。僕も長年ライターをやっていますが、一つのテーマについての取材で、これだけ長時間に及ぶインタビューを行ったのは初めてです。

インタビューのやり方というのは、インタビュアーによって、または取材相手によっても違ってくるので、何が正解というのはないと思います。僕自身も、相手の出方によってある程度やり方を変えます。完全に聞き役に徹することもありますし、こちらからある程度言葉を挟んで相手を話しやすくしてあげることもあります。ミヤザキさんとokayanの場合は、何というか、もう、至極ざっくばらんに(笑)、限りなく雑談に近いテンションで話を聞こうと思っていました。もともと個人的によく知っている二人でしたし、その方が話しやすいだろうと思ったからです。とはいえ、初めの頃は、やっぱり二人ともちょっと話しにくそうでしたが。

ざっくばらんに話を聞くといっても、右手は常にペンをノートに走らせてますし、相手の話に言葉を挟んだりしつつも、頭の中は「この話をこのままこんな感じで続けさせて大丈夫か? この辺で切るか? あっちに話を向けるか?」といった感じで、脳みそから湯気が出そうなくらいにフル回転。雑誌などのインタビュー記事の場合は尺が短いので、その記事の組み立てだけを考えればいいのですが、リトスタ本のインタビューの場合は、各トピックごとの組み立てだけでなく、それが本全体の構成にどんな影響を及ぼすかということまで気にしなければならなかったので、なかなか難しい面もありました。

でも、ミヤザキさんとokayanへのインタビューは、当初思っていたよりもはるかに面白かったです。何より、発せられる言葉自体に力があった。五年間の日々の積み重ねで培った、他の誰でもない、彼らだからこそ語ることのできる言葉。そういう言葉は、どんなに気の利いたレトリックよりも強く、深く、読者の心に届くのではないかと思います。逆に言えば、取材相手からそういう力のある言葉を少しでも多く引き出すことが、インタビュアーの仕事です。その意味では、今回は「楽な」仕事だったのかもしれません(笑)。

(yama_taka)

 
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