第3話

廃油石けん初仕込み(後編)

さてさて、石けん部長のぬまっち、しっかり予習して手作り石けんについての知識と理解を深め.....いよいよ初試作!ははじめてでも作りやすそうな「ミキサーを使ったレシピ」......と、これが思いがけずうまくいかず(苦笑)、出鼻を挫かれた感もあります試作初日はすでに夕暮れ時......

ぬまっち、くろちゃん.....さぁ、こまったぞと(笑)。

いやいや、これでは終わるわけにはいかない!と、えぇ、ふたりの奮闘振り、さっそく続きをどうぞ!(笑)

オーソドックスな廃油石けんの作り方

初めての仕込みにて、2度続けての失敗...片付けを済ませるも、日も暮れてなかなかいい時間になってしまいました。一旦気持ちをリセットしようと、コーヒーブレイクしながらミーティング。このまま、何の希望も見えないまま、終わりたくない…どうしたらいいだろう?うんうんと唸り、出した結論は、「原点に戻るべし」。
この話を頂いた時、最初に店長から渡された、オーソドックスな廃油石けんレシピに基づいて、やり直すことにしました。けれど、そのままのレシピでは、出来上がりの量も多すぎて手に負えなそうだし、作業も大がかりなレシピだったので、まずは試作にちょうどいい、牛乳パック程度の型に合わせて、仕込みの量を計算し直しました。
いざ、ミキサーを大きなガラスの耐熱ボウルと、ステンレスの泡だて器に持ち替えて、再チャレンジです。

オーソドックスな廃油石けんの作り方

1)材料を揃える。
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作業台には、新聞紙を敷いて。作業に入る前に手袋とマスクは着用すべし。
廃油、苛性ソーダ、水など、必要な材料は前もって量を計っておきます。
段取りがモノを言います。慣れない作業はなおのこと。

2)苛性ソーダ水溶液を作る。
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牛乳パックに入れた苛性ソーダに水を混ぜて、やさしくシェイク。
よ~く混ぜて、水溶液を作ります。高温(60~80度くらい)になるので気をつけて!
溶け残りが無いように。

3)水溶液を静かに油へ注ぐ。
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水溶液を細くゆっくり廃油に流し入れます。化学反応(鹸化)で、マスク越しにも異臭がしました。「おお」と思いながらも作業に集中。

4)とにかく混ぜる。
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よくよく混ぜます。
ねばって混ぜ続けて、型入れ時の瞬間を待ちます。20分くらい。

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しばらく混ぜ続けると、ほらほら、とろみが出てきました!
石けんのタネは、刻々と鹸化している(らしい)ので、型入れ時の瞬間を逃さぬよう集中します。泡だて器から落ちた石けんのタネの跡がつつつ・・・と残るくらいが目安。
ミキサーと違って今回は自分の手で混ぜたので、石けんのタネが変化していくその過程を色や粘度、手ごたえで実感しながら作業でき、感覚がつかめてきました。ミキサーでは、粘度の変化がわかりにくく、思った以上に鹸化が早く進んでしまって失敗したようです。


5)型に流し込む。
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いよいよです。型に流し入れます。

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ゴムべらを使ってさらさらと。タネを余すとこなく入れましょう。
元キッチンスタッフのくろちゃん、ゴムベラの扱いに慣れております、さすが!

6)タネを寝かせる。
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記録を残し、固まるまでタネを寝かせます。
上手くいけば1日~2日間くらいで型から取り出せるはずです。

くろちゃんとサササと片付けを進めているその間にも、すでに石けんのタネの表面は白っぽく、固まり始めているよう。
やっぱり、自分の手を使って仕込むのが一番わかりやすいね、すんなりとイメージ通りに進められたね、などと話しながらほっと一息。タネの感じから上手くいった感じがじわじわ漂いました。
実は、この日すでに混ぜ込むための「米ぬか」を用意していたのですが、まずは石けんの土台となる、質の安定した生地を作れるようになってからにしよう、ということにしました。
くろちゃんにタネの経過を報告する約束をして、この日の作業は無事にお終い。

 
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