タナカヒデキ プレゼンツ 珍伝票大賞!
はじめに・・・「ナッス」!
きっかけは、この1枚の伝票でした。
その日はたしか結構忙しい日でバタバタしていたと思うのですが、ふっとオーダーを確認しに並べられた伝票を見てみると、なんとなく違和感を感じたのです。
「ナッ・・・ス?」
正しくは、「ナッツ」と書くべきところを、ただ書き間違えてしまっただけなのでしょうが、心の中でつぶやいたときの語感が何とも言えない面白みを放っていて、腰が抜けるほどの脱力感に襲われました。
忙しさにピリピリしていた緊張感も一気にほぐれ、スタッフ皆で笑いながら「ナッス!」を連呼。営業が終了してからもその日はその話題で持ちきりで、スタッフ内で一躍流行語となったのです。
朝のあいさつも「ナッス!」
返事するときも「ナッス!」
ちょっと馬鹿馬鹿しいかも知れませんが、その頃はとにかくその言葉を使うのが面白くて仕方ない時期でした。
単なる偶然から生まれた言葉に、これだけ楽しませてもらった記念にと、この伝票をなんとなく残しておこうと思ったのが「珍伝票コレクション」の始まり。
「ナッス」の伝票は当時の日曜日スタッフのハブちんが作者(?)なのですが、ハブちんは他にも実に多くの迷作で楽しませてくれました。
冗談まじりに、いつか珍伝票大賞をやりたいね、なんて話していたのですが、よもや実現するとは思えませんでしたね。ハブちんが辞めてしまった後にも実に才能豊かな(笑)スタッフたちによって、今では100枚近くの珍伝票がストックされています。
今回はその中で特に面白かったものを少し皆様にご紹介したいと思います。
1.書き間違い編
落ち着けば書けるのに・・・忙しくって慌てて書いたりするとつい間違えちゃうんですよね。そんなほほえましい伝票たちです。
果肉・・・?フルーツはケイコちゃんに聞いてください(笑)。
「煮」が思い浮かばなかった・・・
頭の回転に書く手が追いつかなかったのでしょうか?
なぜか「ろ」だけが遠くに。
一本線が多かった!
修正済(笑)
2回も蒸しちゃってます。
2.略し方編
スタッフは伝票を書くとき、商品名を略して書きます。
ポテトサラダだったら「ポテサラ」
鶏のから揚げだったら「とりから」
他のお店だと略し方も決められていることが多いのですが、リトル・スター・レストランでは日替わりメニューが多く全部決めるのは大変なので、略し方は各スタッフの自由。
なので、略し方にも個性があってとても面白かったりします。
皆は結構「ポテサラ」と書くのですが....短さの限界に挑戦。
これも短さの限界に挑戦。...でも「ー」くらい略さなくてもいいじゃないか。
一瞬なんだかわからなかった(笑)。今は「夕ご」って書く人が多いですね。
今風に。
コレを書いたスタッフは、なぜか口では「バーグ」と略してますw
放送禁止用語入ってます。
マゲはちょっと....w
なんか不思議と文学的な響きが....「エデンの東」みたいなイメージですね。
YOU ARE THE CHAMPION!
3.間違ってはいないけど....編
伝票としては間違ってないんだけど、書き方一つでちょっと面白かったりするんですよね。
何故か横文字ですが。たまにはこういう遊び心も面白いですね〜。
みんな「こんぶ」と書くけれど、なぜかこれを書いたスタッフは「こぶ」にこだわります。何か思い入れがあるのかな?
こう略してしまうと、なんかひよこがコロッケになってしまったみたいでカワイソウ!という意見が(笑)
・・・そして改良後(笑)
4.修正した筈が...編
この3枚は全部同じスタッフによるものです。
線を2本引いて修正しているのですが、偶然にも違う読み方になっちゃっていて笑えた伝票です。
「も」....?
見たことのない字が....
タキごはん。
5.その他編
どうしても豚の字が思い出せなかった....!
煮の字が下が切れちゃってます。「からあげ者」って・・・どんな人?
略せないまま全部書いちゃいました。
揚げてません!!....イカ丸のまま揚げたら大惨事ですよ。
さてコレクションの中から一部を紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。
最後に・・・個人的に1番お気に入りだった珍伝票がコチラ
当店のランチメニューは、ハンバーグ、カレー、日替わりの3種類。平日は日替わりは2種類ですが、土・日は日替わりは1種類だけなので、土日は伝票は「日替わり」と書くのが普通なのですが・・・。
その日のランチが始まり、ご来店された最初のお客様にご注文をうかがいます。
「本日の日替わりをお願いします」
「本日の日替わりですね」
というやりとりの中で、普通に「日替わり」と伝票に書くところがつい....
慣れてない頃って、言われた事を条件反射的にそのまま書いてしまうものなんですよね。
そんな不慣れなスタッフの初々しさ、正直さが伺える反面、あえて「本日の日替わり」と全部書かず「本日」でとめてあるところが大胆といいましょうか、その堂々とした2文字に大笑いさせてもらいました。
色々と傑作はありましたが、ヒデキ的「珍伝票大賞」はこの作品とさせていただきます!
さていかがでしたでしょうか、今回の「珍伝票コレクション」
最初は何の気なしに始めた珍伝票コレクションですが、気がつけば2年間で100枚以上の伝票が集まっていました。
正直内輪ネタな部分もあるのでどうかな、とも思いましたが、少しでも楽しんでいただけたら何よりです。
こうして見返してみると単に面白い、というだけでなく、その頃のスタッフや懐かしいメニューなどを垣間見ることができ、写真などとはまた違った思い出の品になっていることに気づき、改めて集めていて良かったな〜としみじみ感じています。
僕は今月でこのお店を去ることになりますが、この伝票は大切に取っておこうと思います。
いつの日か第2回珍伝票大賞が開催される日を夢見て・・・!